みなさんの親族や友人の中に、膝の悩みを抱えている方が少なくとも一人はいるのではないでしょうか。もしかすると、あなたご自身もそうなのかもしれません。これだけ膝が痛いことに根付いているみなさんですが、なぜ一向に解決しないのでしょう。また、膝の役割や構造を確認することで、これまでと違った考え方ができるのではないかと思います。今回はそんな「膝」について考えてみましょう。
【なぜ膝は痛みやすいのか】

人間の体には約200個の骨があり、もちろん首や肩、腰など痛む場所は人様々ありますがその中でもなぜ膝を痛める人が多いのでしょうか。これは、膝の役割と構造を考えると答えが見えてきます。人は四つ足歩行の動物とは異なり、二足歩行で生活をする為に背骨が縦に連なっております。首・胸・腰にかけて背骨が連なり骨盤で支えております。また、骨盤下側部より大腿骨が連結され下に連なる脛骨との関節位置に膝は位置します。下肢の中央に位置している為、上半身の負荷を支える役割をしております。また、歩行する為には欠かせない関節になる為、スムーズな屈曲と伸展機能が求められるのです。すると、上半身の負荷を支えるには"安定"させる必要がありますが、同時に屈曲と伸展をスムーズに繰り返す"柔軟性"も必要になると、非常に矛盾した要求に応えられる、他の関節にはみられない独自の関節形態と、軟骨(半月板)と靭帯(前・後十字靭帯)などが備わっているのです。
このように、特殊な機能を備えておく必要がある為に他の関節部分よりも常に大きな負担がかかっているのです。しかし、膝は他の関節部より負担がかかっても対応できる構造をしております。それでも、痛みが出てくるのはどのようなことが考えられるでしょう。ここで「姿勢」が原因だと考えられるのです。#1で取り上げたように、人間は二足歩行でバランスをとる為に「抗重力場作用」の働きを本能的に備えております。姿勢が傾くことにより、目線を水平に保つための抗重力場機能で欠かせないのが「膝」です。膝の屈曲と伸展、さらに回旋も交えながら人は本能的に倒れないようにバランスをとるのです。
ただでさえ、膝に大きな負荷がかかっている状態に加えて、バランスをとる為に屈曲などすると、より膝に対する負担は増します。これが、一時的なものであれば構いませんが、その状態が数年、数十年積み重なると当然、膝はその負担に耐えきれなくなり痛みを起こしてしまいます。このように、膝は安定性と同時に機能性が求められる役割があるため、年月が経つにつれ症状をかかえる人が多いのです。
このように、特殊な機能を備えておく必要がある為に他の関節部分よりも常に大きな負担がかかっているのです。しかし、膝は他の関節部より負担がかかっても対応できる構造をしております。それでも、痛みが出てくるのはどのようなことが考えられるでしょう。ここで「姿勢」が原因だと考えられるのです。#1で取り上げたように、人間は二足歩行でバランスをとる為に「抗重力場作用」の働きを本能的に備えております。姿勢が傾くことにより、目線を水平に保つための抗重力場機能で欠かせないのが「膝」です。膝の屈曲と伸展、さらに回旋も交えながら人は本能的に倒れないようにバランスをとるのです。
ただでさえ、膝に大きな負荷がかかっている状態に加えて、バランスをとる為に屈曲などすると、より膝に対する負担は増します。これが、一時的なものであれば構いませんが、その状態が数年、数十年積み重なると当然、膝はその負担に耐えきれなくなり痛みを起こしてしまいます。このように、膝は安定性と同時に機能性が求められる役割があるため、年月が経つにつれ症状をかかえる人が多いのです。
【変形性膝関節症】

膝の痛みとして多くの方が診断を受けている病名が「変形性膝関節症」です。日本人口1億2千万人いる中で約2,500万人もの患者数がいます。そのうち、700万人が要治療患者であり、男女比が1:4で女性が男性の4倍もの数を占めています。これだけの患者数がいるにも関わらず、改善する人がいないのはなぜなのでしょうか。きっと原因が明確に分かっていないから治療法も明確にならないのだと思います。
手術以外の治療法として、ヒアルロン酸注射を紹介されるケースが多いようです。膝の動きを滑らかにして軟骨を保護することを目的に行われます。ここで膝の構造を理解してみましょう。膝の関節が正常にかみ合わないがために軟骨組織である半月板が薄れて、骨同士が干渉し、やがて変形していくのです。なので、体はそうならない為にも体内で生産した天然のヒアルロン酸(関節潤滑液)を膝に流し込むのです。しかし、膝関節がかみ合わないので天然のヒアルロン酸は溜まる一方であり、この状態を一般に「水が溜まった」といいます。注射を打つ前に溜まっている水を取り出して人口のヒアルロン酸を注入するのです。すると、何が起きるのかというと膝に溜まる液体が入れ替わるだけで関節自体は何も変わりはしないのです。これを、ひたすら繰り返すのです。このような考え方ができたならば、膝関節を正常に調整する必要があるという答えにたどり着く筈です。
しかし、先ほどの膝の役割を理解していれば膝は単体的に悪くはなりにくいもの。上半身の帳尻をとる役割がある為、骨盤に問題がある場合があります。仰向けに寝た時、骨盤が正常な人は両足のふくらはぎの裏が床についているものですが、下肢と骨盤の関係がズレていると片足が開いて、その足のふくらはぎの側面が床につく状態になります。この人が歩く場合、片足を開いてねじれて歩くだろうか。そんなことはなく、真っすぐ歩こうと無意識に体を補正するのです。下肢と骨盤の関係がズレると足の長さは違ってくるので当然、体は傾きます。そこで目線を水平にバランスをとろうとすれば、膝はねじれることによって体全体のねじれを調整しようとするのです。
変形性膝関節症はこのように、本当に膝だけの原因から起こることよりも膝から上が傾くがために、全体のバランスの中で膝がそのギャップを取り除かねばならなくなって起こる場合があります。つまり、"変形しなければならない""ねじれなくてはならない"という状況に膝が追い込まれてしまうのです。であれば、膝は二次的に起きた症状になるので原因となる膝より上の骨盤部などに注目して改善を図るべきではないでしょうか。
↓病院での詳細
手術以外の治療法として、ヒアルロン酸注射を紹介されるケースが多いようです。膝の動きを滑らかにして軟骨を保護することを目的に行われます。ここで膝の構造を理解してみましょう。膝の関節が正常にかみ合わないがために軟骨組織である半月板が薄れて、骨同士が干渉し、やがて変形していくのです。なので、体はそうならない為にも体内で生産した天然のヒアルロン酸(関節潤滑液)を膝に流し込むのです。しかし、膝関節がかみ合わないので天然のヒアルロン酸は溜まる一方であり、この状態を一般に「水が溜まった」といいます。注射を打つ前に溜まっている水を取り出して人口のヒアルロン酸を注入するのです。すると、何が起きるのかというと膝に溜まる液体が入れ替わるだけで関節自体は何も変わりはしないのです。これを、ひたすら繰り返すのです。このような考え方ができたならば、膝関節を正常に調整する必要があるという答えにたどり着く筈です。
しかし、先ほどの膝の役割を理解していれば膝は単体的に悪くはなりにくいもの。上半身の帳尻をとる役割がある為、骨盤に問題がある場合があります。仰向けに寝た時、骨盤が正常な人は両足のふくらはぎの裏が床についているものですが、下肢と骨盤の関係がズレていると片足が開いて、その足のふくらはぎの側面が床につく状態になります。この人が歩く場合、片足を開いてねじれて歩くだろうか。そんなことはなく、真っすぐ歩こうと無意識に体を補正するのです。下肢と骨盤の関係がズレると足の長さは違ってくるので当然、体は傾きます。そこで目線を水平にバランスをとろうとすれば、膝はねじれることによって体全体のねじれを調整しようとするのです。
変形性膝関節症はこのように、本当に膝だけの原因から起こることよりも膝から上が傾くがために、全体のバランスの中で膝がそのギャップを取り除かねばならなくなって起こる場合があります。つまり、"変形しなければならない""ねじれなくてはならない"という状況に膝が追い込まれてしまうのです。であれば、膝は二次的に起きた症状になるので原因となる膝より上の骨盤部などに注目して改善を図るべきではないでしょうか。
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【オスグット・シュラッター病】

成長期の中高生がオスグットと言い、膝をかばう様子をよく見かけられると思います。これは、膝関節を屈伸する動作を過剰に行うことにより、脛骨粗面に負荷がかかることによって剥がれたり、ひどい場合だと隆起したりなどで痛む状態です。原因としては、骨の成長に筋肉が追い付かず、バランスが取れていないからと言われています。では、学生時代は過剰に運動をするべき時期とも捉えれますが、そんな中、オスグットになる人とならない人はランダムということなのでしょうか。過剰に運動をしていない人がなる場合もありますし、過剰に運動している人がならない場合もあります。また、両方ではなく片方だけなる印象がありませんか?このように色んな疑問が生まれてきます。これも、何か別の原因があるのではないでしょうか。そうです、ここでも「姿勢」が関わるように私共は考えます。
オスグット・シュラッター病患者の脛骨は、高確率で上下左右に傾いています。人間の歩行は外から内に足を移動させる為、膝の内側に重心がかかりやすくなります。ちなみに、膝の外側より内側の方を痛める人が多いのは、単なるこの歩行のメカニズムによって内側に重心がかかることによって起きることがほとんどです。腰に傾きがあると、重心が片寄るため膝関節の動き方に左右差が生じます。つまり、成長期に姿勢不良の状態で激しい運動をすると、片方の膝に必要以上の負荷が蓄積していきます。なおかつ、その膝は先ほど申し上げたように、バランスをとるために脛骨が正常ではない動きをせざるを得ない状況になります。すると、膝蓋靭帯が無理な緊張を起こた結果として、付着している脛骨粗面が剥がれたり、隆起したりすることで痛みが生じるようになるのではと考えられます。
オスグットは成長痛のひとつとして、なる人ならない人がいるとされていますが、そこには明確な原因があり姿勢が傾くことによる結果的症状なので必ず片方の足に起きるのです。よって膝の治療ではなく、ただちに姿勢を正す治療をするべきと言えます。
↓病院での詳細
オスグット・シュラッター病患者の脛骨は、高確率で上下左右に傾いています。人間の歩行は外から内に足を移動させる為、膝の内側に重心がかかりやすくなります。ちなみに、膝の外側より内側の方を痛める人が多いのは、単なるこの歩行のメカニズムによって内側に重心がかかることによって起きることがほとんどです。腰に傾きがあると、重心が片寄るため膝関節の動き方に左右差が生じます。つまり、成長期に姿勢不良の状態で激しい運動をすると、片方の膝に必要以上の負荷が蓄積していきます。なおかつ、その膝は先ほど申し上げたように、バランスをとるために脛骨が正常ではない動きをせざるを得ない状況になります。すると、膝蓋靭帯が無理な緊張を起こた結果として、付着している脛骨粗面が剥がれたり、隆起したりすることで痛みが生じるようになるのではと考えられます。
オスグットは成長痛のひとつとして、なる人ならない人がいるとされていますが、そこには明確な原因があり姿勢が傾くことによる結果的症状なので必ず片方の足に起きるのです。よって膝の治療ではなく、ただちに姿勢を正す治療をするべきと言えます。
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【膝の宿命】

本来、人間の体に設計上のミスはないものです。それでも体がねじれるのは、障害を最小限に食い止めてそれ以上他の部分に影響を及ばせないための防衛策だといえるでしょう。膝が変化するのもその一つです。膝から下の関節には、股関節・膝関節・足関節の三つがあります。このうち股関節は、球関節といって関節面が球場になっているため、色んな方向に動くことができます。したがって、どんな方向から力が加わったとしても痛むことはありません。また、足関節は多軸的に色々な方向に動く関節ですから、どのような動きにも対応ができ、優れた柔軟性ゆえに悪くなりにくいのです。
ところが、膝の関節は違います。膝関節は蝶番関節と呼ばれるように、屈曲運動をするためにあるので一定方向にしか動けません。扉を開け閉めする"ちょうつがい"と同じことです。そのために、股関節や足関節のような動きを持ち合わせていない膝関節は、体のねじれや傾きなどの影響をもろに受けることになるのです。
いうなれば、この関節のもつ宿命だとも言えるのです。
ところが、膝の関節は違います。膝関節は蝶番関節と呼ばれるように、屈曲運動をするためにあるので一定方向にしか動けません。扉を開け閉めする"ちょうつがい"と同じことです。そのために、股関節や足関節のような動きを持ち合わせていない膝関節は、体のねじれや傾きなどの影響をもろに受けることになるのです。
いうなれば、この関節のもつ宿命だとも言えるのです。
【まとめ】

膝の役割と構造はご理解いただけましたでしょうか。これらを理解すると、改善を望むために単に膝に注射を打ったりマッサージなどをすることは目的の方向性が違ってくることをお分かりいただけるはずです。何事も同じですが、原因が分かればそれに対する課題や改善策が見えてきます。膝も同じように役割と構造を理解して痛めた原因が分かれば、改善する方法が絞れてきます。このことがより多くの方へ伝わると、膝が痛いから外へ行きたくない。膝が悪いから旅行へついていけない。なんてことがなくなってくるのです。この記事をご覧になられている方は、是非周りのお困りの方へ伝えていただけると幸いです。
”最後に”
当院は、整体院や整骨院とは異なり、対処療法ではなく科学的根拠に基づいた姿勢調整を行うことで、不調の改善と健康維持を目指す「健康支援センター」です。姿勢科学の分野をまだ知らない・自分に合ったケアがまだわからない方へ、早くこの手が届きますように!そんな思いで、日々活動しています。
↓店舗情報詳しくは
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