#5【今、こどもの体がおかしい!!筋力や集中力の低下は姿勢から!?】

昨今、こどもの筋力や集中力の低下に注目されています。実際に、習い事のスポーツクラブなどでここ数年で、遊び感覚で前回りや逆上がり、逆立ちなどができないこどもが非常に増えており、こども達の体質の変化を感じます。皆さんも実感されるのではないでしょうか。社会的には時代の変化によるものとみなされがちですが、私共は、時代の変化によって姿勢が変化していったことによって起きているのだと考えます。
今回は、「こども」「姿勢」の関連性についてお話いたします。

【はじめに】

人は、誰かの影響を受けて成長していく生き物です。いくつになっても同じだと思います。その中でも一番はじめに影響を受けるのがこどもです。生まれて何もできない状態から二足歩行で立つようになり、言葉をしゃべるようになり、発言や言動にそれぞれ個性が芽生えて他者と異なった存在になっていく。これらのことは、すべて誰かの影響を受けて成長していきます。こどもの場合は、ほとんどが親にあたると思います。こどもの場合は影響されている認識やその先の結末、誰の真似をしようかなどの判断能力が備わっていない為、良くも悪くも親の責任が100%なのです。

子どもは一生の内のかなり早い段階の時期に、驚くほど様々な運動スキルを発達させます。このスキルには膝這いや自立歩行、走行、段階昇降、目一手協調など様々な方向による物品操作といったものが含まれますが、これらいずれのスキルもその主要な運動を支える二足歩行での人体の発達が必要となります。この発達の大変重要な段階で、親の知識がなかったり、常識や認識が間違ったものであれば、子どもの発達は妨げられてしまいます。どんな親も子どもの存在は尊いものであり、その成長を意図的に妨げようとする親などいない筈です。だからこそ、子どもにとって最も影響力と責任のある親が正しい知識を得ておく必要があるのです。

実際に親の間違った認識によって、子どもの発達を妨げてしまったり、最悪の場合死亡事故に繋がってしまった事例などもあります。「無知は罪なり」という言葉があるように知っているだけで結果が大きく変わることがあります。ましてや、自分の大切な子どもに関わることであれば尚更のことですから、ここでは親としての責務を全うして最低限の知識を得ていただけたらと思います。

【赤ちゃんに対する知識間違っていない!?】

成人の全身の骨の数は約200個あるとされていますが、赤ちゃんの骨の数は約300個ほどあります。成人と赤ちゃんとの骨の数にこれほどの差があるのは、骨になる前は軟骨組織でできており一つ一つが関節として繋がっておらず分離(独立)している状態にあります。それが成長するにしたがって軟骨が骨質に置き換わり、分離していた骨が一つになり、大人の骨格へと変化していくのです。このような赤ちゃんの骨が成形される重要な時期に知識がないために成長を妨げてしまうことがよく行われています。

例えば、歩行器。歩行器を使うと赤ちゃんが喜んだり、親が目を離して別の作業ができるなどの利点があります。おおよそ9カ月から1歳過ぎ頃に歩行器を使う場合が多いようですが、この時期は赤ちゃんにとってハイハイが重要な時期であって、自分の力で動く為に手足、腕、腰、背など全身を使い運動するので、背筋や腹筋を鍛えられ、運動機能にも大きく影響してくると考えられます。つまり、歩行器をつけるとハイハイをする機会がなくなり本来発達するはずの運動機能が十分に発達できなくなる可能性がある為、歩行器を使用して無理に立たせ、歩かせることは不要であると言えます。

また、少し前に「赤ちゃん/小児整体」と称して発育途上の赤ちゃんに対して股関節や首を回したりする行為を健康法として流行った時期があります。股関節(寛骨)は元々、腸骨・恥骨・坐骨の三つの骨に分かれて互いに軟骨で融合されており、成人になって初めて一つの股関節へと結合します。なので、もちろん赤ちゃんの股関節など未完成にも程がある状態にも関わらず、過度の刺激を加えた場合、「成形不全」などの発育に甚大な悪影響を及ぼす可能性がある事は、容易に想像できるかと思います。首(頸部)の場合だと、ただでさえ骨格の周囲の軟部組織も未成熟であり、過剰に動きやすく不安定で外部からの刺激を受けやすい状態のうえに、頸部特有のリスクとして「椎骨動脈の走行」が挙げられます。椎骨動脈は、頸椎内を走行している動脈であり、脳に栄養や酸素を供給する重要な動脈です。よって、医学的な知識なしに頸部へ物理的刺激を加える事は、成人の骨格に対してでも大変危険な行為ですが、これを発達途上の赤ちゃんへ行うなんてことは、あってはなりません。実際に、生後4か月の男児が首をひねるなどの施術を受けた後、低酸素脳症による多臓器不全で亡くなるなどの痛ましい事故が起きています。

これら全ては、親に正しい知識があれば歩行器に頼ったり、施術を受けさせたりすることなく子どもは健康に成長していくのです。冒頭でお伝えしたように、赤ちゃんにとっての全ての影響と責任は親にあります。これを機に、少しでも多くの子どもが成長を妨げることなく、元気で健康に成長してくれることを願います。

↓過去の事故例

記事

【子どもの体の変化】

12歳くらいまでの子どもをイメージすると、ここ10年程前までは公園で遊具や野球などをして体を動かして遊ぶ姿が浮かんでいたかと思いますが、急激なデジタル社会が進んだ現代では家でゲームをしたり、寝る前にはYouTubeを見たり、赤ちゃんですらスマートフォンを眺めている程、多くの子どもが体を動かすことよりも画面を眺める時間の方が格段と長くなりました。この時代の流れと比例して起きているのが「子どもの体の変化」です。以前と比べて現代の子どもは、「よく体調を崩す」「見るからに姿勢が悪い」「運動能力が著しく低い」などのマイナス要素が目立っているように感じます。あらゆる考え方がありますが、ひとつとして「姿勢」による原因が考えられます。
姿勢は生活習慣によって変化します。画面を眺めることが習慣になった今では、背中を丸めて首を前に出す体勢を毎日繰り返すと、おのずと筋肉にクセがつき本来の姿勢が変化していきます。また、成長期であれば尚更で、柔軟な筋肉と関節だからこそ、より一層習慣となっている体勢が普段の姿勢へと変化していきます。
悪い姿勢でいれば、体はそれを修正しようと無理なバランスをとろうとするので無意識のうちに不必要な筋肉を使っており、筋肉に溜まった乳酸を新陳代謝で取り除くことが出来ないと疲労はどんどん溜まっていく一方になるのです。すると、色んな不祥事が起きやすくなります。

筋肉が一時的にゼロになった瞬間から生まれる瞬発力もゼロになるタイミングが中々ないので衰えてしまいます。また、本来なら脳に行くべきエネルギーが骨や筋肉による消費に回ってしまう為に集中力の低下にも繋がってしまいます。そして、背骨が歪むことにより精神疾患を起こす原因となりやすい胸椎に異常が発生し、神経障害をもたらし精神的に正常でいられなくなる子どもも出てきます。このようなことから、自分自身の姿勢はもとより、親の立場であれば病院に行かせなくては!とばかり考えるのではなく「姿勢」が原因として考えられることも十分にある為、日頃から入念な気配りをしていただきたいと思います。

【側弯症と対策】

皆さんは、"側弯症"という言葉を聞いたことはありますか?直立したときに背骨が側方へS字状に弯曲している異常な状態であり、神経圧迫とともに直接内臓を圧迫するほどひどいものもあります。これは、筋肉も骨も出来上がりつつある成長期に多い病気で、若い時になった場合は目立って進行が早いです。弯曲が大きくなってくると、バランスをとる為に首や膝などが負担を負い、痛みが出てくる可能性があります。治療の手段がないために「自然回復しますよ」と言って経過観察に移るのが現実ですが、過剰な角度になってしまって、しかも一定の年齢を超えた患者が自然回復することは、まずありません。

一般的には、20度以上の角度になるとブレースという側弯矯正装具で固定することになります。部分的に腰が悪いなどというものではなく、全身的な問題になるので、もちろん固定も全身が対象になり、四六時中無理やり固定することになります。寝ている時すら外すことはできません。すると、別の問題が生じてきます。

ご存じのように、骨は睡眠中に成長するものです。だが、"固定した状態を続けて骨がある程度正常に近くなるまで様子をみる"ものなので、当然何年単位という長い時間が必要になってきます。成人期の人間を型にはめ込むように固定するとどうなるのか。考えるまでもなく、肋骨などの成長不全や神経系・血管系など様々な成長障害を起こすようになります。これは大変なことです。「日本側彎症学会」という側弯の学会がありますが、未だに側弯症になる原因は不明のままです。これまでお会いした方々でも、側弯の言葉すら知らない方や知ってても事の重大さを認識されてない方が大変多いです。今一度、アンテナを張って我が子は大丈夫なのか意識していただきたいと思います。

↓ホームページ

日本側彎症学会

【まとめ】

人間の体というものは、決して"障害が出るのが当たり前"という環境に置いてはいけません。私は皆さんに、常識と正しい知識は必ずしも一致しないことをご理解いただきたいです。常識とは、その時代の人々が持っている知識や判断力などで、一般には時代によってレベルがあり正しいものに到達するのに時として時間がかかってしまいます。以前よりもデジタル社会になり良くも悪くも様々な情報が入手できるようになりました。時代が進み意識のレベルが上がっていくにつれ、私たちはどれほど沢山の「常識」を修正してきたことでしょう。
たった一つしかない自分の体又は子どもの体だからこそ、常識よりも正しい知識を習得する努力をしていただきたいと思います。そうすれば、赤ちゃんに対する不必要な刺激や子どもの生活習慣、骨が歪むとギブスなどという安易な考え方は無くなるのではないでしょうか。

”最後に”
当院は、整体院や整骨院とは異なり、対処療法ではなく科学的根拠に基づいた姿勢調整を行うことで、不調の改善と健康維持を目指す「健康支援センター」です。姿勢科学の分野をまだ知らない・自分に合ったケアがまだわからない方へ、早くこの手が届きますように!そんな思いで、日々活動しています。

↓店舗情報詳しくは

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